
愛知県小牧市。焼入れ・熱処理加工・高周波熱処理・真空熱処理・研削・研磨・歪矯正に関わる様々なお困りごとを、「三洋電子株式会社」が解決いたします。焼入れ・熱処理で起こりがちな、歪み・変寸・溶損・割れ・摩耗・曲げ・変形などやお客様の悩みの「コストダウン」「小ロット対応」「スピード対応」「設計段階からのVE」「歪矯正」など様々なお困りごとにお答えします。


金属部品の耐久性を高める方法として、製造業で広く使われているのが高周波焼入れ(こうしゅうはやきいれ)です。
特に、自動車部品や機械部品などでは、耐摩耗性・耐疲労性を高める表面硬化処理として重要な熱処理技術となっています。
この記事では
• 高周波焼入れの原理(誘導加熱)
などを、初心者にもわかりやすく解説します。
高周波焼入れとは、誘導加熱(高周波加熱)を利用して鋼の表面を急速に加熱し、その後すぐに冷却することで、表面のみを硬化させる熱処理方法です。
通常の焼入れでは部品全体を加熱することが多いですが、高周波焼入れでは
という特徴があります。
このため、次のような部品によく使われます。
高周波焼入れの最大の特徴は、誘導加熱という仕組みを使う点です。
高周波焼入れでは、ワーク(加工する金属部品)の周囲に誘導コイルを配置します。
このコイルに高周波電流を流すと、周囲に変化する磁界が発生します。
すると金属内部には渦電流(うずでんりゅう)と呼ばれる電流が流れます。この渦電流によって金属の表面付近が発熱し、短時間で高温になります。
高周波加熱では、電流が表面近くに集中する表皮効果(スキン効果)が発生します。
そのため
という状態になります。
この特徴により、部品内部の性質を変えずに表面のみを硬化させることが可能になります。
加熱後、ワークは
などで急冷されます。
この急冷によって鋼の組織がマルテンサイト組織へ変化し、非常に硬い硬化層(表面硬化層)が形成されます。この硬化層が
といった特性を生み出します。
金属の熱処理では、焼入れと焼戻しの組み合わせが基本になります。
焼入れとは、鋼を高温まで加熱した後に急冷し、硬さを高める熱処理です。
主な目的は
• 強度向上
• 耐摩耗性向上
• 表面硬化
です。
ただし焼入れだけでは金属は非常に硬い反面、脆くなりやすいという欠点があります。
焼戻しとは、焼入れ後の鋼を再び適度な温度で加熱することで
を行う工程です。
高周波焼入れでも、焼戻し処理を行うことで
を確保します。
高周波焼入れには、他の熱処理にはない多くのメリットがあります。
① 必要な部分だけ硬化できる
局所加熱が可能なため、部品の必要部分だけを硬化できます。
② 歪み(反り)が少ない
全体加熱をしないため、熱変形(歪み)が比較的小さいという特徴があります。
③ 短時間で処理できる
誘導加熱は非常に効率が高く、短時間で熱処理が可能です。
④ 量産に向いている
自動化しやすく、自動車部品などの大量生産に適しています。
特徴をまとめると
これらを組み合わせることで、耐摩耗性と耐久性に優れた部品を作ることができます。
そのため現在では
など幅広い分野で利用されています。